引越し後にかかってくる電気の勧誘電話の見分け方
引越し後に電気の勧誘電話が増えるのは、新居への入居にあわせて電力会社の営業リストが更新されるためです。国民生活センターには、電気小売りの電話勧誘に関する相談が2015年の35件から2018年には1,195件へ急増したという記録があります。検針票の情報をその場で教えない、その場で契約先を決めないという2点を守れば、多くのトラブルは避けられます。
なぜ引越し後に電気の勧誘電話が増えるのか
電力の小売全面自由化以降、新しく電気の契約が必要になるタイミング、つまり引越しの前後は、各社の営業活動が集中しやすい時期です。実際に、国民生活センターと電力・ガス取引監視等委員会が公表した資料によれば、電気の小売りに関する電話勧誘の消費生活相談件数は、2015年7〜9月期の35件から、2018年7〜9月期には1,195件へと大きく増加したことが記録されています。この期間は自由化の進行とともに新規参入事業者が増え、営業のための電話勧誘そのものが増加した時期と重なります。
引越しをすると、旧居の解約手続きと新居の契約手続きが同時に発生します。このタイミングで、以前住んでいた住所や契約情報をもとにした営業リストが更新され、複数の事業者から電話がかかってくることがあります。これは自由化した電力市場では起こりうる通常の営業活動であり、電話がかかってくること自体が問題というわけではありません。問題になるのは、電話の中でどのような情報を求められ、どのような説明を受けるかという点です。
電気の勧誘電話で絶対にしてはいけないことは何か
まず徹底すべきなのは、検針票に記載された情報を電話口でその場で教えないことです。検針票には、契約者名義・供給先の住所・お客さま番号・供給地点特定番号といった、契約の同一性を特定できる情報が記載されています。国民生活センターの注意喚起では、こうした情報を電話で聞き出し、契約者の明確な同意がないまま契約を切り替えてしまう、いわゆる「無断切替」に関する相談が寄せられていることが報告されています。電話の相手がどのような事業者を名乗っていても、契約情報が特定できる番号をその場で口頭で伝えることは避けるべきです。
次に重要なのが、その場での即決を避けることです。「今より確実に安くなります」といった断定的な言い方をされても、電話だけでその場で契約する必要はありません。電力・ガス取引監視等委員会の注意喚起では、勧誘を受けた際は契約内容を書面やウェブサイトで確認し、料金の内訳(基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金など)を理解したうえで判断するよう呼びかけられています。電話口での説明だけを根拠に判断するのではなく、いったん電話を切って、公式サイトの料金ページや契約約款を自分の目で確認する時間を取ることが大切です。
引越しシーズンに勧誘電話が増えるのはなぜか
電力・ガス取引監視等委員会の注意喚起では、年明けから春先にかけて、進学や就職、転勤などにともなう引越しが集中する時期に、電気・ガスの契約に関する勧誘トラブルの相談が増える傾向があることが示されています。この資料では、相談を寄せた年代によって勧誘の手口に違いがあることも触れられており、若年層では訪問による勧誘の割合が高く、その他の年代では電話による勧誘も一定の割合を占めていることが報告されています。
引越しシーズンは新生活の準備で忙しく、判断を急ぎがちな時期でもあります。だからこそ、電話を受けたその場で結論を出さず、落ち着いて確認できるタイミングまで判断を持ち越すという姿勢が重要になります。
「電気が止まります」という電話は本物か
自動音声で「電気料金のお支払いが確認できていません。手続きをする場合は1を押してください」といった案内をして、番号を押させようとする不審な電話が報告されています。こうした手口に対して、電力会社側も注意を呼びかけています。2023年9月14日、ストエネ(旧グランデータ)は、自社を名乗る同種の不審な電話について、公式サイトで利用者に注意を呼びかけました。この呼びかけは、ストエネが不審な電話の発信元ではなく、自社を騙る手口に対して利用者へ注意喚起を行った側であるという点が重要です。
このような電話を受けた場合は、案内に従って番号を押したり、指示された連絡先にかけ直したりする前に、いったん電話を切ることをおすすめします。そのうえで、契約している電力会社の公式サイトに掲載されている連絡先に、自分からかけ直して事実を確認してください。当サイトの電話番号検索ページでも、公式サイトで確認できた主要な電力会社・ガス会社のカスタマーセンター番号を掲載しています。
東京電力エナジーパートナーの過去の行政処分について
過去の事例として、消費者庁は2021年6月25日、東京電力エナジーパートナー株式会社に対して、特定商取引法にもとづく行政処分を行ったことを公式に公表しています。公表によれば、電話勧誘販売に関して不実のことを告げる行為などがあったとして、6か月間の一部業務停止命令が出されています。
この処分は2026年時点ですでに3年以上前の事例であり、現在の東京電力エナジーパートナーの勧誘活動の実態を示すものではありません。行政処分自体は事実として記録されていますが、それをもって現在の同社の営業姿勢や個々の担当者の対応を判断することはできません。この記事では、あくまで公表されている過去の行政処分の事実として紹介するにとどめます。
知らない番号から電気の勧誘電話が来たときの確認方法
見覚えのない番号から電気の勧誘電話がかかってきたときは、まず電話番号そのものを確認することをおすすめします。当サイトの電話番号検索ページでは、公式サイトで裏取りできた電力会社・ガス会社のカスタマーセンター番号を、事業者名・用途つきで一覧にしています。かかってきた番号が一覧にある場合は、その事業者の公式窓口からの発信である可能性を確認できます。一覧にない番号の場合は、公式を名乗っていても、その場で契約情報や個人情報を伝えないようにしてください。
また、勧誘の内容が「今より安くなる」というものであった場合、実際にどれくらい差があるのかは、電話口の説明だけでは正確に判断できません。当サイトの電気料金シミュレーターでは、契約アンペアや月間使用量をもとに、燃料費調整額や再エネ賦課金を含めた実額で複数プランを比較できます。電話を切ったあとに、落ち着いて試算してから判断することをおすすめします。
この記事のまとめ
- 引越し後に電気の勧誘電話が増えるのは、営業リストの更新にともなう通常の営業活動であり、それ自体が問題なわけではない
- 検針票の名義・住所・お客さま番号・供給地点特定番号は、電話口でその場で教えないこと
- 「安くなる」といった断定的な勧誘であっても、その場で契約を即決しないこと
- 自動音声で番号を押させる電話は、いったん切って公式サイト掲載の番号にかけ直して確認すること
- 番号の確認は電話番号検索ページ、料金の比較は電気料金シミュレーターを活用すること
よくある質問
電気の勧誘電話で検針票の情報を聞かれたらどうすればいいですか?
その場では答えず、電話を切ってください。検針票の名義・住所・お客さま番号・供給地点特定番号を伝えると、同意のないまま契約を切り替えられる「無断切替」のトラブルにつながる恐れがあります。[国民生活センターの注意喚起](https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20181220_4.html)でも、この情報を聞き出す手口が報告されています。
「今より安くなります」と言われた場合、その場で契約してもいいですか?
いいえ、その場での即決は避けてください。電力会社の比較は、基本料金・電力量料金に加えて燃料費調整額や再エネ賦課金を含めた実額で行う必要があります。[電力・ガス取引監視等委員会の注意喚起](https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241206_1.html)でも、書面で内容を確認してから判断するよう呼びかけられています。[電気料金シミュレーター](/#simulator)で試算してから検討することをおすすめします。
「電気が止まります」という自動音声の電話は信用できますか?
その場で「1」を押すなどの操作はしないでください。2023年9月、ストエネ(旧グランデータ)は自社を名乗る同種の不審な電話に注意するよう[公式に呼びかけています](https://sutoene-service.jp/news/93039/)。いったん電話を切り、契約している電力会社の公式サイトに掲載されている番号にかけ直して確認してください。
かかってきた番号がどこの電力会社かわかりません。調べる方法はありますか?
当サイトの[電話番号検索ページ](/phone/)で、電力会社・ガス会社の公式カスタマーセンターの番号を確認できます。一覧にある番号であれば、その事業者の公式窓口からの発信である可能性を確認できます。一覧にない番号の場合は、公式を名乗っていてもその場で個人情報を伝えないようにしてください。